ggg企画展 vol.313 寄藤文平氏「夏の一研究」

うちの会社は銀座の端にあって、たまにランチついでにgggに行きます。今回は大好きなグラフィックデザイナーの寄藤文平氏の企画展が開催されているということを知って、「ミルクチャポン」も大好きだった自分は、いそいそランチ&gggにおでかけしてきました。

寄藤氏といえば、JTのマナー広告「大人たばこ養成講座」などが一番に思いついて、あのイラストのトーンや色使いなどが特長的だけど、そのグラフィックの裏側にある考えや法則がとても練られていて、見ていてオリジナリティがあふれているように思います。その奥深さが見ていて楽しくなってきたりするのです・・・。

■独自のデザイン研究を展開
gggの展示は1階と地下1階にわかれていて、1階では畳1枚分くらいもありそうな大きさの作品が並んでいた。どれも寄藤氏のデザインに対する考え方やデザインの実験のような感じでした。自分を客観視する7人をデザイン化してみたものだったり、絵の内容をすべてピクトで作ってみようという事例だったり、惑星の大きさの差やシーベルト~マイクロシーベルトの差を誰でもわかりやすく可視化するものだったり、元素一覧をキャラクター化してみたものだったりと、ものすごく実験的です。ピクトの事例では、初代ガンダムのラストシューティングがピクトで再構成されてたりして、おもしろい…。

普段は聞き流していることだったり、複雑でわかりにくいことだったり、もんやりとした印象だったりしたものを、デザインの力でがっつり伝わりやすく再構築していると感じ、見ていて楽しいグラフィックだなぁと思いました。

■装丁デザインの発想を垣間見れる
地下のほうでは、赤瀬川原平著「千利休 無言の前衛」という岩波新書の装丁を検討していく工程で、頭の中の発想を順にわかりやすく並べて紹介している。実際にワークショップが開催されていたようです。その展示方法も、縦長の黒板を40枚ほど部屋の壁に並べて、順に見ていく展示方法。デザイナさんの発想を垣間見れる展示になっていて、とても参考になる。後日「わかりやすいデザインを考える」というタイトルの本が出版されるそうです。

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ggg企画展 vol.313 寄藤文平氏「夏の一研究」
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/

2012年9月3日(月)~29日(土)
〒104-0061 中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル 
Tel. 03-3571-5206
am11:00~pm7:00(土曜日はpm6:00まで) 
日曜・祝日休館 入場無料