企業がFacebookでファンとコミュニケーションするのに必要な6つのこと(ad:techレポート)

昨年度開催されているときに、SNS上でみなさんの投稿がなんだか楽しそうだなぁと思って会社からしげしげ眺めていたad:tech tokyo、これに参加させていただきました。家から向かっている途中に、カンファレンスパスを会社に置きっぱなしにしたというミスをしましたが、なんとか開始5分くらいで到着することができました。広い会場はすでに満員となっていたので、別室にてFacebook グローバル・クリエイティブ・ソリューション・ディレクター Mark D’Arcy氏の講演をはぁはぁ言いながら聞きました。

■Facebookユーザーがいつも見ている場を活用するには
ユーザーはFacebook閲覧時間の40%はニュースフィードを見ている。ここをマーケターが活用してファンとの対話に参加するには、そのブランドの存在意義が必要である。ユーザーが楽しくコミュニケーションしている場に企業が入っていくには、それ相応の存在する理由が必要である。またブランドの信憑性が必要で、言ってることとやってることが一致していることが重要だというお話。その後、以下の6つのポイントがあるという流れでした。

■ブランドがファンと対話する際に必要な6つのこと

  1. Be authentic

    ブランドが掲げるコンセプトと信憑性があること
    【事例】Grey Coupon 

  2. Be Useful
    便利に使ってもらえること。ツールやユーティリティなどを提供して、ユーザーに便利に使ってもらえること。
    【事例】nike id、fuel band

  3. Be entertaing
    面白みがなければ注目しない。写真、ストーリー、ウィットなどで興味をひくこと。
    【事例】Red bull
    【事例】ポカリスエットのソーシャルラジオ

  4. Be Relevant
    ユーザーと関係性があること。またそのグループに対しての濃密な関係形成。

  5. Be Timely
    タイムリーであることが重要である。同じ実生活にすんでいることを実感できる、同じ経験を共有したいと思っていること。

    【事例】OREO – DAILY TWIST…その日にちなんだオレオ画像を投稿してユーザーの共感を得た事例。これはひとつひとつのアイデアが素晴らしくて、思わずいいね!してしまいますね。

  6. Listen
    人々の話に耳を傾けること、そしてそれをアクションに反映すること。
    【事例】LAY’S 新フレーバートレンドをユーザーに聞いて、分析した事例。

■常に自分にこの2つのことを問いかけよう

Why care? …どうしてみんながこのコンテンツに関心もつの?
Why share? …なんでこのコンテンツシェアしたいって思うの?

この2つの問いを、施策を考える初期段階からちゃんと考えることが重要で、このことは最後に拡散するためだけにSNS連携を付け加えるようなものではない。

■エンゲージメントのレベルが高い日本人

日本人はブランドへの熱狂度が海外に比べて強いのだそうです。数値的なデータとして、以下が紹介されました。

60%… 自分のアイデンティティを表しちゃうからこのブランドが好き
67%… クーポンあるしこのブランドにいいね!する
74%… 有益な情報が取得できるから企業をフォローしている
22%… Facebookの情報を見て実際に購入した人の割合

これらの数値をふまえつつ、先の6つのポイントから外さないようなコミュニケーションを行なって施策を実施することがこれからのマーケターに必要なことだと指摘しました。

地下の企業展示ブースも楽しかったです。

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アドテック東京
http://www.adtech-tokyo.com/

はみだし塾 vol.11 川村真司氏

2012年9月11日
AOI Pro. 大崎本社 大会議室

葵プロモーションさんが開催されているはみだし塾。はみだした広告作っている方を招き、これからの広告がどう変わっていくかのヒントを探ろうという会。無料で誰でも参加できるため、早速行ってきました。

■企画の根底「SIMPLE & UNIVERSAL」

  • 東京、ロンドン、アムステルダム、ニューヨークとさまざまな国・広告代理店で広告を作られてきた
  • その経験からどの国や文化でも人間が本質的に感じる部分を企画の核にすることで、より強い・拡がりのある作品が作れると感じた
  • 「SIMPLE & UNIVERSAL」を企画の根底で意識している。

その後、広告を作る時気をつけている3つのポイントに沿って事例が紹介されました。

■ポイント1:「CREATIVE PROCESS」(作り方から作る)

  • 対象をどう伝えるかをロジカルに考えて表現を作っている
  • 制作前(どう作るか)から制作後(どうひろがるか)まで考える
  • プロトタイプを作って検証しまくる
  • 制作プロセスもコンテンツの一部となる

【事例1】SOUR – 日々の音色
 シンプルなアイデアで世界中から視聴

【事例2】androp – Bright Siren
 メイキングのプロセスごとエンターテインメント

【事例3】androp – World.Words.Lights.
 ライゾマや明和電機と協力

【事例4】SPACE SHOWER TV – MUSIC SAVES TOMORROW
 真鍋大度氏、清水幹太氏と共に本物の精子を動かそうと試みた事例 実際はCGに

【事例5】NHK – TECHNE
 いろんな方の作り方~作品をみたいため企画

■ポイント2:「NEW USE OF MEDIA」(メディアの新しい使い方)

  • 横井軍平氏「枯れた技術の水平思考」
  • 知っている技術を違った使い方をしてうまく使うこと
  • 今ならTwitterを何かうまい使い方考えたりするほうが

【事例6】Rainbow in your hand
 パラパラの軌跡が虹に。めくる動作をエンターテインメントに

【事例7】SOUR – 映し鏡
 ブラウザ、MVを違った形で使用。清水幹太氏との初の協業

【事例8】SONY – MAKE TV
 ソニー製品を駆使したインタラクティブTV番組

【事例9】ユニコーン×宇宙兄弟
 雑誌や漫画、CDに散りばめたメディアミックスな隠し要素をMVでタネ明かし

■ポイント3:「STORYTELLING TECHNOLOGY」(新しい物語体験するためのテクノロジー)

  • 適しているテクノロジー、メディアを選択して使うこと
  • ただ流行ってる新しい技術というだけで使った作品は数年後にどうでもいいものになってしまう
  • いろいろなテクノロジーをちょっと違った使い方で

【事例10】androp – Bell
 曲のテーマである伝えることの難しさをTwitterとゲームで表現

【事例11】TOY TOYOTA – Backseat Driver
 TOY TOYOTAというおもちゃブランドを通じて社の姿勢を伝える

【事例12】intel – POP-UP THEATER
 フラッシュモブ的な映像をYoutube上でひろめる

■3つのポイントのバランスが大事

  • 「CREATIVE PROCESS」「NEW USE OF MEDIA」「STORYTELLING TECHNOLOGY」のバランス
  • アイデアとテクノロジー検証は同時に進めているが、自分も技術について理解するようしている
  • アイデアやクラフトを担当するCD と 技術、実現を担当するTDでのチーム

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川村真司氏
http://www.masa-ka.com
http://prty.jp/

はみだし塾
http://hamidashi.com/