自然もアートも体験できる、中房総国際芸術祭いちはらアート×ミックスに行ってホッコリしてきた。

2013年に新潟で開催された大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレへ2度訪問して、自然とアートを満喫できるイベントにはまってしまい、今回は千葉の市原市で3/21~5/11の期間開催された、中房総国際芸術祭いちはらアート×ミックスへ行ってきました。今回も千葉の真ん中の市原エリアを広範囲につかった作品展示があり、南北に横切っている2~3両の小さな電車、小湊鐵道で巡るアートの旅というものでした。また、廃校になった小学校をいくつも作品展示に活用していました。

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■電車も風景も途中の駅も乗客もすべてを活用した電車内演劇
いろいろ見た中で一番インパクトの大きい体験をしたのがこの作品、指輪ホテルの「あんなに愛しあったのに~中房総小湊鐵道篇」でした。写真撮影が禁止だったため、詳しくお伝えできないのですが、小湊鐵道の上総五井駅~上総大久保駅の間を、演劇を上演するためだけに電車が特別ダイヤで走り、通常の電車の法では考えられないような使い方を演出に盛り込んで、そこを舞台に劇が進行するという作品です。チケットを購入し、座席に座った乗客が観覧者となります。

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電車に乗り込んだ瞬間から異空間になっています。すべてカーテンが閉まっていて、通路には服が血まみれになった女性がどーんと倒れています。死んでいるようです。乗客はなにが起こるんだろうとはらはらしながら見守ります。車掌がやってきて、倒れている人をみて「ぎゃーーー」と叫ぶと同時に扉が閉まり、電車が走りだす…というイントロでした。この劇と空間がシンクロする感じは、思った以上に没入感があり、これ以外にも外の風景との連動、トンネルへ入る瞬間~出る瞬間の間の使い方や、外の遠くのほうの田んぼで演じるパートがあったり、途中で止まる駅にも、数々のしかけがあったり…。と、どんどんこの演劇に取り込まれて夢中になる感じがありました。物語の中に自分も居ながらにして、お話が進行していくという感覚で、いままでになく楽しい空間でした。

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駅で見ていたら、小湊鐵道の電車で懐石料理を食べる懐石料理電車というのもやってるようでした。いろんな利用ができるんですね。そういえば最近では山手線の電車内で結婚式だーとかもありましたね。乗り物とイベントが世界観を合わせると、すごい没入感感じたので、宇宙船風に改装された高速バス「STAR FIGHTER」も、見たときにはどれほどのものかと思っていましたが、もしかしたらすっごく楽しいのかも…。さらに、松本零士プロデュースの船「ヒミコ・ホタルナ」あたりが、本気のイベントを開催してくれたらすごい世界に飛び込めるんでは…と思いました。

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劇が終わった後の車内床

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天気が悪かったのが一層雰囲気出てた

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時期時期の風景がとてもきれい。春は菜の花きれいだった。

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途中の駅がどこも風情あって思わず長居してしまう。

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作品は前回の妻有同様にスタンプラリー形式。集めたくなる。

■廃校になった教室は作品展示にうってつけ?
南北20kmくらいの広範囲に、4つくらいの使われなくなった小学校にいろんなアートが展示されていました。各教室が展示になっていたり、もっと広範囲に作品になっていたり。教室単位での展示は、空間がうまく分かれていて、うってつけなんでしょうね。

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扉をあけるとガランゴロン♪鳴り響く教室

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運動場

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いろんな要素が懐かしい

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運動場に遊びに出てみたくなる

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なつかしい図工教室的な机でごはん

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なぜか凍る-20度な校長室

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風じゃないけどゆらゆら揺れている

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いくつもの教室を使っていた作品は、学校の七不思議的なものを題材にした作品。くらい教室に入って行くと誰もいない暗い教室内に生徒たちの声が聞こえたり、おばけに扮装する化粧室や、おばけになって小舞台でおばけを演じる部屋。放送室のマイクから、おばけの声を放送できるしかけや台本など。学校のおばけを参加して楽しむ作品でした。

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右手にはデス・スター

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ここはおばけの劇場の受付

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いろんな変装道具が置いてある

他にもガーナチョコレートやパイン飴で埋め尽くされたおかしな教室や、人体模型くんが、なんかすごいことになっていたり、もうどこから発想がきたんだろう!という楽しい体験ばかりでした。

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机の中にももちろんガーナチョコレートが!

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呼吸しているみたいな人体模型くん

■作品を案内する地元の人との交流がまた楽しい
越後妻有のトリエンナーレでもそうだったのですが、地元の人たちとの交流がまた楽しかったです。子どもと来ていたこともありますが、作品を見に行くたびに近寄って来て話しかけてくれる地元の方。アーティストから聞いた作品の解説や、作品の楽しみ方を教えてくれます。年配の方も多くて、よくわかんないんだけど、面白いよねーという方も。
せっかく地方×アートなんだから、地元のものを食べたいし、泊まりたいし、交流してみたい、そんな風に思わせてくれるこのイベントを満喫しました。
ふと入ったお蕎麦屋さんのばーちゃんも、宿の方もアート×ミックスのことは知っていて、あの作品見たよーとか、あそこの小学校いいよーという交流もまた楽しかったです。
湖に墜落した飛行機?に、ボートで渡してもらい、そこでルアーフィッシングをするという謎の体験作品もありましたが、これまた謎のおしゃれな民族衣装に身を包んだ地元の方たちが、家族3人を飛行機に渡してくれて、きゃっきゃ楽しんでルアーを投げました。

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終了直前だったけど飛行機へ渡してもらった

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もぐらでてきてびっくりした

◼︎まとめ
作品ももちろん見ごたえあって、見るたびなんだこれはっ!という驚きがあるのですが、それを地元の方たちと話しながら、みじかに体験しながら、自然の中で楽しめる。もっともっといろんな国内の地域で開催して欲しいなぁと思いました。他にも印象に残った作品が満載なアートイベントでした。

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質問と回答を書く竹とんぼらしい。飛ばなかった。

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部屋中に贋作が!

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めまいしそうなミラーボール

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いちはらアート×ミックス