GT 内山さんの話が勉強になったのでメモしてみた。

ある打ち合わせの中で、GT 内山さんが話されていた内容が、かなり勉強になり&おもしろかったので、内山さんにOKいただいた上で、自分勉強用にメモ。うちの会社と内山さんはこういう繋がりでご一緒させていただいています。以下がメモの内容。

■この10年のデジタルの流れ

  • 2005年まで
    デジタルの手法がコンテンツとして成立していた。例えばユニクロやサントリー、日産などが新しい手法を取り入れたキャンペーンなどを展開していて、これが世間にも話題となるような時代だった。1000万円以上かけて、Webサイトでのプロモーションを行うケースも多かった。

  • 2010年頃
    デジタルを外へ持ち出したものが出だした。その走りとして、2006年にinteractive  wall BIG SHADOWを実施した。

  • 2014年現在
    現在ではWebサイトをつくるノウハウも会社も人も増え、200~300万でも十分なものが作れる時代になった。代理店としての競合も増えているため、代理店としては、トータルで受けることしか、活路が無い状態。
    facebookやLINEが中心となるコミュニケーションなので、デジタルで何かコンテンツを発信しても見てもらえないことが多い。CMやソーシャル、まとめサイトなどを起点に、Webへ行くという流れ。どんどんブラウザの外にでてきている事例としては、プロジェクションやロボットなど最新テクノロジーを活用している代表にライゾマティクスがある。ライゾマの作品はアートな要素が多いため、見ている人は広告を見るというよりも、アート作品を見る感覚で体験している。Perfumeの事例は大衆向けなポップなものと、アート・テクノロジーが融合していて多くの人に受け入れられる作品になったのではないか。
■これからは結局コンテンツを作り出す力「コンテンツ力」が重要になる。
代理店は、商品が利用されるシーンをつくって伝えることはできるが、コンテンツ自体をつくりだすことは弱い。代理店の方が映画を監督してつくるケースもあるが、儲かるケースはまだ少ない。これからはストーリーをつくれないと儲からない。
広告業は時間の奪い合いをする仕事。現在ではLINEやパズドラが競合相手になっている。お金払ってでも楽しくて没頭するようなパズドラと戦えるような広告が作れるかどうか。これからは「コンテンツ・エンターテイメント」が重要になる。
ある競合プレゼンの際、億の予算があるがこれでCMをうっても500GRPほどなのであまり効果が望めない。それならば1億かけてバイラルするような施策をうちたいというケースがあった。最終的に独自の強いコンテンツをもっている会社が受注することとなったのだが、このケースを見てもこれからの代理店の競合相手にはアニメ制作会社や、放送作家、まんが家が競合になってくる可能性が十分にある。広告業界は比較的参入しやすいが、コンテンツ業界は参入障壁がものすごく高い。
現在は、Creative、Degitalの両方が必要なだけでなく、それをどういう形で実現するかというExecution(エクゼキューション)が必要となっている時代。プロダクションでも連合してこれに対応できる会社が増えてきているが、代理店はこの状況においてけぼり状態になっている。
■昔の「読み・書き・そろばん」は、今では「IT・英語・財務感覚」。
財務感覚というのはマーケティングのことを考えられること、話ができること。クライアントはかっこいいCMや面白いものをつくりたいわけではなく、売れるCMをつくってほしいと思って依頼している。このあたりがちゃんと理解できて、提案できることが重要。
現在GunosyやソーシャルゲームのCMがいろんなバリエーションで放映されているが、きっとこれらのCMでは効果測定~分析し、より効果の高いパターンのCMを次へ活かしているはず。ITの分野では当然行われてきたデータの分析をCMにおいても行っている事例。
広告系のクリエーターがアイデアを考えると、どうしてもその商品の特長をコピーにしたり、特長を掘り下げた企画にしたりと、本来の伝えたいことの斜め上をいってしまうケースも。どんな風におもしろいのか、2週間で売れるCMなのか?ということをストレートに考えられることが重要。

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