ad:techで「若者がハマるしかけマーケティング~没頭できるものを創ろう」を聞いてきたメモ @全広連夏期広告大学スペシャル vol.1

ad:techに行ってきました!といってもセッションのパスは高すぎて買えなかった(ワンデーパスが¥66,960)ので、ad:tech tokyo 2014で東京広告協会の協力で開催されていた全広連夏期広告大学スペシャル「広告新時代Vol.3:ソーシャル・メディア時代のコミュニケーション戦略 最新事例紹介と研究」を聴講してきました。今回はまずそのうちの1つ、「電通若者研究部」「ギャルラボ」などの立ち上げメンバーとして若者の消費心理・動向分析などをされている電通 西井美保子氏の「若者がハマるしかけマーケティング~没頭できるものを創ろう~」をメモ。

image

■講演テーマ・講師プロフィール

「若者がハマるしかけマーケティング~没頭できるものを創ろう~」

image
西井 美保子氏
株式会社電通
ビジネス・クリエーション・センター
未来創造グループ チーフ・プランナー

image
金山 裕樹氏
株式会社 VASILY
代表取締役CEO

■渋谷マックでひたすら人間観察していたギャル時代(西井氏)

  • 2009年電通入社、はじめは電通総研
  • 電通若者研究部、ギャルラボの立ち上げに関わる
  • 2年に一度の改変で現在は未来創造グループ チーフ・プランナー

image

  • 2002年頃は自身がギャルだった
  • 渋谷のマックでひたすら人間観察していた
  • ギャルの行動パターンはだいたい同じだと感じた
  • 観察することで何を求めているか、どう使っているかなどがわかる
  • 観察することで1次情報(自分の経験から得た情報)がわかる
  • 例:バンドエイドを薄くきって二重まぶたにする使い方
  • 観察してその情報をつかむことがこれからの時代に必要
  • インサイトをつかむことに繋がる
  • いつの時代も若者は大人から見るとちょっと変
  • だけど新しいライフスタイルを生み出す未来顧客の塊

■例えば平成学生という層に注目してみる(西井氏)

  • 2000年 → 2010年 の大きな変化
  • ガラケー → スマホ
  • 電話やメール → LINE・SMS
  • メールアドレスを持たない
  • 平均6グループのグループチャットを多用
  • 1999年生まれの不況うまれ、デフレ育ち
  • 競争よりも協調
  • 自分探しよりも正解探し
  • 6歳 Google
  • 7歳 Wikipedia
  • 11歳 食べログ
  • 14歳 Twitter
  • 正解検索とグループコミュニケーションの達人集団
  • 1対1よりもグループという傾向が見えてくる

■若者向けのサービス「iQON」を運営しているVASILY 金山氏

  • Yahoo!FASHION、X BRANDなどのライフスタイルメディアの立ち上げ
  • 2008年 株式会社VASILY設立
  • 2010年 ファッションコーディネートサイト「iQON」立ち上げ
  • iQONは2014年9月現在の会員110万人を宣伝広告なしに獲得してきた
  • 会員の80%は30代以下で毎日2000枚ほどコーディネートがアップされる
  • 若者に支持されるサービスづくりをしてきた

image

■コストパフォーマンスから、タイムパフォーマンスの時代へ(西井氏)

  • ハマる = 病み付きになる、惚れ抜く、のめり込む、夢中になる
  • 80年代は情報がすくなかったので、がっつりのめり込める時代
  • 今はコンテンツが増え、ひとつにかける時間が少なくなった
  • 趣味は?と聞かれた際、答える平均数が増えている
  • はまるものがいっぱいありすぎるため、ひとつひとつの時間が減っている
  • コストパフォーマンスから、タイムパフォーマンスの時代へ
  • 費用対効果をもとめる時代から、時間対効果も求める時代に
  • 可処分所得と可処分時間をどうハマるものへ使ってもらうかが課題
  • ゲームセンター と スマホゲームが競合している
  • 若者の時間をとりにいくには夢中になるきっかけづくりが必要
  • 例:リアル脱出ゲーム
    3000円もかかるのに、その体験に時間とお金を出す
    何がそこでできるのかが重要

■没頭してもらう、習慣化してもらうのに必要なことは?(金山氏)

  • プッシュしても情報が多いので刺さりにくい
  • 一度体験してもらったものを、もう一度したくなる仕組みが必要
  • 時間をかけたものやお金をかけたものは捨てたくなくなるという性質
  • 投資した時間やお金を見える化する
  • iQONでは投稿したコーディネートをブックマークやいいねで見える化
  • 自分のつくったコーディネートに反応があると愛着がわく

■明日からはじめられる3つのグロースハック術(金山氏)

  1. ひたすらヒヤリング
    自分が体験して得た1次情報がもっとも大事
    自分しかもっていない情報に価値がある
    調査会社に依頼するより、自分で直接聞くほうが場の雰囲気や表情までわかる 
  2. get out building でライブテスト
    アプリのユーザーテストを恵比寿駅前でテストした
    すぐ外にでて直接ヒヤリングしてみること
    テストなども映像で残すことでログには残らない間の部分も残す 
  3. 20%のエゴを足す
    ユーザーの声を100%聞くのではなく自分たちが描きたい未来を20%分加える
    100%ユーザーの意見を聞き、20%のエゴを足す
    iQONでは自分の考えるかわいいというものをデザインで表現した

————————————————————

西井 美保子氏 電通報 執筆記事
電通ギャルラボ
株式会社VASILY
ファッションコーディネートサイト「iQON」