全広連夏期広告大学スペシャル「広告新時代Vol.3:ソーシャル・メディア時代のコミュニケーション戦略 最新事例紹介と研究」を聴講してきました。今回は2つめのセミナー、電通 京井良彦氏「共創マーケティング~僕らの欲しいものを創ろう!」をメモしました。
■講演テーマ・講師プロフィール
「共創マーケティング~僕らの欲しいものを創ろう!」
京井 良彦氏
株式会社電通
ビジネス・クリエーション・センター
未来創造グループ プランニング・ディレクター
田淵淳也氏
amadana株式会社
amidusプロデューサー
■ブランドとユーザーが繋がった世界
- 元銀行員で2001年電通入社
- ブランドとユーザーを直接繋げ、その世界でどんな価値を生み出せるかに関心があった
- ブランドとユーザーが繋がるには、単発の花火ではなく中長期的なプランが必要
- 今では当たり前の概念になっているが、書籍「ロングエンゲージメント」を出した頃には会社からの反対の声も多かった
■ブランドと人をダイレクトに繋いでみた事例
事例:Google 政治家と話そう
・衆院選のネット選挙解禁
・Google ハングアウト機能での有権者から質問する場を設けた
事例:AKB48前田敦子卒業 ソーシャル紙吹雪
・前田敦子さんの卒業時、入場券がものすごい倍率に
・Google+に寄せられたメッセージを花吹雪一枚一枚にプリント
・卒業公演の最後に歌われる「さくらの花びらたち」でその花吹雪を降らせる
- メディアを飛び越え、今までできなかったことをソーシャルメディアの機能で繋げた
- 今では繋がっていることは当たり前の世の中に
- 繋がっているのが当たり前の中、どんな価値を生み出せるかを模索している
■可視化による行動喚起を試みた事例
- 成熟期、繋がっていることは当たり前になっている
- 起きていることを可視化
- ソーシャルシフト・コンサルティングやファンコミュニティなど
- 事例:Google選挙2 未来をつくろう
自分の思い描く未来のキーワードを投稿
みんなが投稿しているものを可視化
候補者の思いなどもYoutubeなどで見るという流れ
選挙へのみんなの思いを可視化し、候補者へ繋げている
■さらに先の「共創」を考え、amadanaとの業務提携に繋がった
- 共創とは
ブランドとユーザーがものをつくっていく
はじめから一緒になって期待をこえる新しい価値を生み出す
これもコミュニケーションの領域だと考えるようになった
- すでにある事例
スターバックス「My Starbucks Idea」
DELL 「Idea Storm」
無印良品「モノづくりコミュニティ」
キリンビール「カンパイ会議」
- もっとさらに世界があるのでは
ユーザーのアイデアをブランドが取り入れていくという流れに留まっている
企業側の話でおわっていて、ユーザーの考えを取り入れるという改善領域になっている
これではもっと飛び越えたニーズやアイデアには対応できない
これまでの発想だと生活者が純粋に「ほしいもの」には対応できない
- 真のオープンイノベーション実現するプラットフォームを作りたいと考えた
ユーザーの望むことにいろんなブランドが参画するような形が理想
企業が技術シーズ(技術、人材、設備など)や開発プロセスをオープンにすることが必要
すべて完璧に完成してから公開する日本企業の性質をもっとオープンにできないか
何が価値になるのかユーザーが決めることができればこれが「真の共創」になる
- 電通 × amadana の業務提携
スマートプロダクツ共創プラットフォーム「amidus」を立ち上げた
■共創のための5つのキーワード(amadana 田淵氏)
1)IOTとエレクトロニクス
- amadanaへの異業種からのコラボオファーが増えていた
- スマート化 IOTですべての業種がエレクトロニクス化していく
- とけ込んでいくエレクトロニクスにどう対応していくかが課題となっていた
- amadanaにとって、すべての業界がコラボ対象となり、ドメインとなる
- ものづくりが1社で完結しなくなった時代
- 企業間コラボする際に重要な指標とすべきなのがユーザーの声
2)真のCtoBモデルへ挑戦
- 今までの共創はCtoBの意向を組み込んでいるが基本は企業のビジネス
- 本当にユーザー視点から組み立てるモデルにチャレンジ
3)企業へのサポート
- ユーザーを集めるプラットフォーム
- 企業から相談をもらい、これを解決する
事例:日産リーフ リマーケティング
- ガソリン自動車から電気自動車への進化をリマーケティング
- 電気で走る → 電気が走る
- どこかに移動する手段 → 何かを使う手段 ととらえ直す
- ユーザーが関われる余白をつくることが重要で、「何か」という部分に余白を作った
- ユーザー視点で価値をとらえ直し、みんなで新しい体験を作っていこうというプロジェクト
4)ユーザーのモチベーション
- GEと新商品開発の業務提携もしているアイデアクラウドソーシング「Quirky」
- 1アイデアを10ドルで投稿。審査会を通貨すると製品化までのリスクはQuirkyが担うしくみ
- アイデアが商品化され販売された際、販売収益の10~30%がインセンティブに
- 金銭的なインセンティブももちろんモチベーションをあげるが、プロセス自体に価値がある
- 共創体験そのものもおもしろい
- 関わること自体に価値を見いだす
事例
- 上の日産LEAFのプロジェクトがSnow peak と繋がった「電気自動車 × キャンプ」
- どんどんキャンプが快適になればSnow Peakのキャンプ市場も広がる
- キャンプのエレクトロニクスを考えるユーザー参加型イベント「CAMP HACK DAY 2014」の実施
- イベントの中でアイデアソンも実施し50名の一般の方も参加
- これまでなかったものが生まれる場に
- 共創体験がおもしおろければ、お金はらってでも参加してくれることがわかった
5)amidusそのものが共創
- 参加する方の意見聞きながらプロトタイプを作れるような場に
- プロセスのオープン化による恒常的なユーザー参画・評価ができる場
- 企業シーズを生活者視点でとらえ直し、外部リソースを活用した共想&共創により企業ニーズを満たしていく
- amidusでは、個人でも企業でもアカウント取得可能
- 本当に欲しい を一緒につくりましょう!
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