TOKYO DESIGNERS WEEK 2012に行ってきました 2(テクノロジー×アート篇)

子どもと歩き回ってアートな遊び体験を満喫したTDWで、前回のエントリー「子どもが喜ぶ体験型アート篇」では子どもが喜ぶ体験型な作品をメモしてみましたが、それ以外にテクノロジーとアートが融合している作品もたくさん展示されていました。次はこちらをまとめてみたいと思います。

 

■街を背景に漫画カメラ – 週刊CHINTAI × チームラボ

青薄暗く光っているコンテナブース内にPCが並んでいて、奥のカーテンの向こうにはサイネージパネルと撮影スペースが。壁にかけられた縦長のサイネージパネルには自分たちが映っていて、キネクト的に手をかざした操作で設定を進めるようでした。渋谷・池袋などの選んだ地域を背景にした自分たちを、マンガカメラのような処理で撮影できるという作品でした。撮影された画像はCHINTAIさんのFacebookページにアップされる仕組みだったので、さっそく子どもと撮影してみました。
 
 

■お絵かきしりとりアプリ「SHIRITORI CLOCK」– 総合学園ヒューマンアカデミー東京校 チームCOLORFUL

手書きの絵でしりとりをしていくアプリです。時計の電子音に合わせて画面に演出があり、デザインはなんとなしにユニクロックを思い出させるシンプルさでした。iPadで参加を呼びかけている女性がいて、子どもが吸い寄せられて行ったので話していたら専門学校の生徒で、この展示のために初めてアプリ作ってみたとのこと…。子どもが描こうとして描かなかったり、パパが描いて?とか言ったり、パパが描いたら送信でフリーズしたり、復旧してもらってる間ずっと子どもがその女性に抱きついていてイチャイチャしてたり、といろいろあって30分以上滞在することに…。

 
 

■ねこみみだけじゃなくしっぽも!neurowear

ゲームショーでも見かけたあのネコミミがここにも!。入り口はいってすぐのコンテナブースにネコミミ&ネコシッポを装備した女性が2名。脳波でにょいにょい動いてました。

■赤丸を認識して光が繋がる

こちらも青暗いコンテナブースに入って行くと、中にテーブルのような台に、コースターとプラスチックのグラスが。グラスを取ると、コースターには赤い丸がついていて、この赤丸が現れると赤丸の間に光の線が繋がるというしくみの作品でした。頭上の画像認識センサーとプロジェクターでしょうか。

 

■遠隔地でもリアクション付きビデオ会議?「nubot」 – nuuo

ぬいぐるみのようなロボットの頭部にスマートフォンを設置することで、まるで本人がリアクションしているかのようなビデオ会議ができるnubot。SKYPE電話の番号を押すトーン信号でアクションを制御していると、以前きいたセミナーでうかがった記憶がありますが、ちょっと曖昧な記憶です…。展示されているnubotの中にデモ用の社員の方?がずーっといらして、うちの子が気になったらしく、nubotの前に引き寄せられて、手をふっていました。会社からFacetimeで話すこともあったので、こういうのにも慣れているのかもしれません。

 

■さらにつづく

いろいろ作品みていて、一番父子で盛り上がったのは、RhizomatiksによるPerfumeのGlobal siteで展開していたものを、ホログラムを使ったインスタレーションにした作品でした!。これはなんだかすごい体験だったので、また別に図解してメモしてみたいと思います。あと真鍋大度氏 × アルバロカシネリ氏 × Alexis Zerroug氏によるすごく実験的な作品?についてもメモしてみたいと思ってます。次回に。

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TOKYO DESIGNERS WEEK 2012
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クリエーティブ×テクノロジーが成功するチーム編成の肝になるのか?(ad:techレポート)

■ART & COPY から「クリエーティブ × テクノロジー」へ


1960年代にVolkswagenの事例に代表されるような、アートディレクターとコピーライターがチームを組んで広告を作るやり方が広告における革命だったと語られていて、それはドキュメンタリー映画のART&COPY」の中でもVolkswagenの「Think Small」などの事例で紹介されていました。
 
これが現在ではもう変わっていて、最近の広告では表面上の表現だけではなくユーザーを巻き込んでいくしくみであったり、メディアが複雑に絡み合うしくみであったりというような、クリエーティブだけでは組み立てられない構造になってきています。つまりクリエーティブディレクターとテクニカルディレクターが協力して広告プロモーションを組み立てることが必要になっている。
 
そんな現状の中、クリエーティブ × テクノロジーを実践している方のお話をということで「クリエーティブ x テクノロジー:最新テクノロジーが生み出すイノベイティブコンテンツ」というタイトルで、3人の方から自身の考えや事例紹介がありました。
 
  • 佐藤達郎 多摩美術大学教授(モデレーター)
  • 岩田慎一 ライフネット生命保険株式会社マーケティング部部長代行
  • 野添剛士 博報堂クリエイティブ・ディレクター
  • 菅野薫  株式会社電通クリエーティブ・テクノロジスト


■誰がクリエーティブ × テクノロジーの担い手となるのか?

名前からしてこのセミナーのテーマに合っているクリエーティブ・テクノロジストという肩書きの菅野氏は、以前はコンサル的な部署に在席していたため、現状をヒヤリングしながら今やるべきことを相談して決めていくスタイルを今でも行っているとのこと。担当している業務内容は、広告というよりも商品開発だったりもするということで、従来の発生した仕事を受ける代理店的な働き方ではなく、現状をふまえ今後どうしていくべきかを一緒に考えるパートナーとして関わっているそうです。事例紹介としては、カンヌでもゴールドを取っていたHONDAの「Connecting Lifeline」や、TOKYO FMのしゃべってどんどん学習していく車のパーソナリティ プチェコの「Honda Smile Mission」紹介されました。
 

もともとFlashをつかってアニメーションを作ってみたりする作業も菅野氏自身がされていたとのことで、自身が技術的な知識やスキルを持っていることもありますが、TOKYO FMの事例のようにWebはspfdesign Inc.、ソフトウェアはQosmo、ハードウェアはRhizomatiks、映像はLIFTと、得意分野の際立った会社とコラボレーションしていて、このあたりの仕事のすすめ方にも「クリエーティブ × テクノロジー」のポイントがあると思いました。
 



■クリエーティブ × テクノロジーってどう実現する?

博報堂 クリエイティブ・ディレクター野添氏からはスマートフォン GALAXYのプロモーション「Space Ballon Project」の紹介がありました。このプロジェクトは、スマートフォンを風船に繋げそのGALAXYという商品名のごとく上空3万メートルまで上げて、みんなが投稿していたメッセージがスマートフォンに表示され続ける映像をみんなで同時に見る、というプロジェクト。バスキュールとのブレストの中、商品名からの連想でコアとなるアイデアはすぐに決まったそうです。
広告表現が決まると、それをどう実現していくかというテクノロジー部分を試行錯誤して検証していくという流れになる。Space Ballon Projectの場合は、テスト撮影をしたり、実際に風船を上げて通信ができるか試したりもした。テストでは通信ができなかったりした失敗もあったのだけど、そのテストの映像にクライアントもどんどん乗り気になったそうです。

表現のアイデアを実現できるか技術検証、プロトタイプの制作、テスト実施から作り上げていく流れが、今までにない、クリエーティブ × テクノロジーを実現するのに必要な流れだと感じました。


■クリエイティブ×テクノロジーの効果は?

ライフネット生命 岩田氏から、ライフネット生命×Webクリエイター CONTENTS BATTLE!」の紹介がありました。これはカヤック、クリプトン・フューチャーメディア、はてな、チームラボとライフネット生命が共同で行った企画で、ライフネット生命のバズを起こすことをお題にして制作会社を競わせたプロジェクトでした。Facebookからの一般投票で優勝を決め、最終的にクリプトン・フューチャーメディアが優勝したそうです。この企画意図としては、生命保険を現状でリアルに検討している人にはリスティング広告で十分効果があるが、今はまだ検討していないが、いずれ思い出してもらうために記憶に残すための企画としての実施のようでした。また、テクノロジーをうまく利用したコンテンツには体験できるコンテンツが多いため、ブランドに触れる回数や深度が増すため、将来検討段階で思い出してもらうための何かを残すことができるのでは、という紹介でした。
 



■クリエーティブ × テクノロジーがなぜ必要?

これはやはりアイデアがでたときに、どう実現するかというフィジビリティがすぐ話し合えって結論がだせるというところが大きいようです。また先にもありましたが、現在の広告施策では、表現だけにとどまらず複雑なしくみやメディア間を連携するものが多く、そういったものの理解がないままに全体のフレームを考えることが困難になってきているのだと思いました。また、ここについては、クライアント的にはテクノロジーが無くても売り上げあがればいいよ、という意見もでていました…。



■クリエーティブ × テクノロジーは今後どうなる?

ユーザーには意識されないほど、ごく普通にテクノロジーが広告の中に使われていくだろうということでした。制作側で言えば、コピーライター等と同じように、テクノロジーをベースにクリエイティビティを発揮する働き方をする人が増えていき、当たり前のスキルとして今後必要とされていくだろうという意見がありました。こういった視点をもって部署やチームの編成、採用活動をしていくことが、今後に繋がるのだと感じました。

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TOKYO DESIGNERS WEEK 2012に行ってきました(子どもが喜ぶ体験型アート篇)

今年もアートなイベントが行われる季節になりました。TOKYO DESIGNERS WEEK 2012、DESIGNTIDE TOKYO 2012、DESIGN TOUCH…どれがどれだ?という中、TOKYO DESIGNERS WEEKに今年も子どもと2人で行ってきました。「HELLO DESIGN!」というテーマで大人~子供まで幅広い層に、より身近にデザインに触れ、感じ、楽しみ、刺激を受けてもらうイベントで、子どもも自分もあちこち興味がわいてしまって、見たり触ったりしてるうちにいつもまわりきれなくなる、というイベントです。

■触って遊べるアートが中にも外にも

外苑前駅から歩いて、気持ち良い並木のずっとむこうの明治神宮外苑にカラフルな「HELLO DESIGN!」の看板が。雲も少ない天気がよい日だったので、木の緑と空の青と、この看板のカラフルかげんが本当に綺麗でした。会場内は巨大なテントの中にいろんなブースがあるTENT展、外に貨物用コンテナにいろんなコンテンツがはいったコンテナ展、屋外の芝生の上に展示された学校作品展、あとは大きな丸いTDW DOMEなどの展示に別れて構成されています。本当はひとつづつしっかり見ていきたかったのですが、子連れアート鑑賞のためそうもいかず、いくつか目立ったもののピックアップでご紹介します。

■コドモイドコロ展積水ハウス株式会社

子どもとの生活を考えた住宅デザインにおいて、いろんな工夫を盛り込んだ家の展示がありました。階段したの隠れ家スペースや、屋根裏部屋の秘密基地的なスペースなど、ああこれは子どもはしゃぎそうだなスペースが満載でした。

■木がらせん状に組まれた遊具

どこの学校の出展かわからないのだけど、こどもがわんさと楽しんでました。木がらせん状にぐるりと組まれていて、そこを階段のように登ったりして遊ぶものなんですが、上は結構な高さになっているにもかかわらず、すごく小さな子どもが登って楽しんでいました。

■子どもが熱狂的にはまった音のでる遊具 – 九州産業大学 芸術学部デザイン学科

五角形の枠がガリバートンネルのようにだんだんと小さくなっていく「おととき」という遊具。その内部には、竹や木で作られた音の出るしくみが壁にびっしりと装着されていて、子どもが木琴を叩くバチのようなもので、熱狂的に叩きまくる。そしてその遊具のまわりは常に大きな騒音・・ではなくて楽しい音が鳴り響いているという楽しい遊具でした。大人も遠目に、これは楽しくていい遊具だね~と感心しきりでした。

■なぞの素材でできた家

これはおそらくですがサランラップを巻いてできた家のようです。ぐるぐる巻いてつくって窓を繰り抜いてつくった家。こどもが中でわらわら動いて楽しんでました。体験できるアートいいなぁ。そのうちの一棟がぐんにゃり倒れてきていてましたが。

■オノマトペハウス – 東北生活文化大学 家政学部 生活美術学科

生活まわりの触感をオノマトペ化することで新しい体験を提供している作品でした。ドーム内の床に表面をいろんな素材で覆った六角形がいろいろ置かれていて、その六角形を踏みつけるとドーム天井に配置された対応する擬音がピカリと光るという子どもの全身を使った体験アート。じゃんぷしては「あ、光った!」と楽しんでいる子がいっぱいいました。

■一度やってみたかったシール貼りまくり作品

ブースに近づくとA3くらいのにカラフルな吹き出しでいっぱいのシールが渡され、それを好きなところに貼って!という作品。所狭しと子どもも大人も貼りまくってなんだか楽しそうでした。

■細かくて楽しいブロックnanoblock

ん?レゴ?と思ったけどよく見るともっと細かいブロックのnanoblockでした。

なんだかんだ遊んでいたらいつの間にか夜に…。
プロダクト的な作品だけでなく、デジタルを使ったおもしろ体験作品もいろいろありました。 

デジタルアート篇はまた次のまとめで。

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マス×ソーシャルの肝は「バルス祭り」「よろしくお願いします祭り」で学ぶ(ad:techレポート)

ad:techの講習、なんだか概念的なものが多い?と感じつつも初めてのad:techを満喫しました。2コマ目で受講したのは、マスメディア×ソーシャルメディアの連携が産み出す相乗効果について、「マス」「ソーシャル」から生まれる最適キャンペーンとは?というテーマでのセッションでした。マスだけでも、ソーシャルだけでも成り立たなくなってきているキャンペーンについて、過去に成功した事例紹介とポイントの説明がありました。

 

■メディア、クライアント、インターネット広告といろいろな立場からの登壇者

原 浩生氏
日本テレビ放送網(株)編成局メディアデザインセンターメディアクリエイション部主任
長澤秀行
(株)サイバー・コミュニケーションズ代表取締役社長 CEO
鹿毛康司
エステー(株)執行役 宣伝部長 / クリエイティブ・ディレクター
坂井康文
サントリーホールディングス(株) 広報部デジタルコミュニケーション開発部長
徳力基彦
アジャイルメディア・ネットワーク(株) 代表取締役社長

■いかにお祭り化するかがポイント

日テレの事例紹介として、過去にソーシャル×マスで盛り上がったものとして、「バルス祭り」が挙げられました。Twitterの世界記録(秒間2万件、前後も入れれば10万を超える)を持っているラピュタの例のアレです。その次の祭りとしては、サマーウォーズのエンターキー押す所、「よろしくお願いします祭り」というのも発生しているそうです。番組開始前に公式アカウントからの発信で視聴者を確保しておくことで、映画後半の視聴率アップに繋がったという、ソーシャルの盛り上げ=視聴率の向上となったわかりやすい事例でした。また、ソーシャルでの盛り上げがあると、CM中の視聴率がそんなに落ちないという傾向もあるそうです。普段ならCMになるとチャンネルを変えていたところですが、ソーシャルがあるとCMの間=ツイートしてみんなに共有する時間ということでの視聴率維持ではないかと。実際にCM中にはツイート数アップしているそうです。お祭り化、イベント化=成功の原因ということが言える事例でした。

■番組と連携するCMは「タイムCM」での放映が効果的

  • タイムCM :番組自体に連動したCM
  • スポットCM:どこに流れるかわからないCM。ここ10年の主流

アニメ番組のCMで、そのアニメのキャラクターがCMで商品紹介をするパターンや、サッカーワールドカップのCMで流れたHONDAのCM「負けるもんか」のYoutubeURLを公式IDから流して共有・拡散の勢いをさらに強めることであったり。ソーシャルと連携するなら繋がりをうまく取れるタイムCMで出していく方が効果あるとのこと。つづきはWEBでっというざっくりとした繋げ方ではなく、もっと自然に繋げることができる。

また、CMのつくりかたも変わってきているという指摘がエステー(株)の鹿毛氏より。謎のところいっぱい残しておく方がもっと見たくなる、調べたくなるので、エステー(株)ではソーシャルでさらに調べたくなるような中途半端なCMつくりを目指しているというお話が。テレビで完結していたCMが、ソーシャルに参加することで完結するCMというパターンもでてきそうです。

■トータルコミュニケーションの必要性

ひきつづき怒涛のトークのエステー(株)鹿毛氏。すごいパワフルでした。エステー(株)は企業のCM投入ランキングでは267位で、「ものすごい投入量のサントリーさんとは違って…」と同じ登壇者のサントリーと比較させながら、少ない投入量をいかに効果的に盛り上げていくかという事例を紹介されました。その中で鹿毛氏自らの手書きの紙を表示されましたが、CMの投入からネットニュース、Twitterでの論調、TMRのツイート、ミゲルのTV出演など、どんな風にしてコミュニケーション全体が大きくなっていったかがわかりやすくまとめられていました。

またマスとソーシャルをどのように連携させて話題化させていくかを、クライアント、広告のプランナー、ネット系の制作者、いろいろな考えを持った人があつまって相談しながらしくみを作っていったそうです。それがまとめられていた資料も紹介されましたが、こちらも鹿毛氏の手書きで、モデレーターの徳力氏が「これは写真撮っても、持ち帰ってこれを見ても内容は説明できないですねぇきっと。」とおっしゃっていたのですが、やはり解読できませんでした…。

ただ、ポイントとしてはコンテンツの特性を見極めてどのようなメディアを使っていくか検討すること、ここができないと代理店の価値がないとクライアント側からの意見がありました。オールデバイスの効果測定ができるようになってきていることで可視化されている。これを活用してベースアップしていくための土壌としてのFacebookを活用していくことがこれからできることだという指摘でした。

■登壇者よりポイント・アドバイス

  • ソーシャルは短期的成果が見えずらい。年金みたいに早めに利用してその価値をどんどん貯めるのがよい。
  • 常時ONであるモバイル・スマホをマスとどう連携させるかを常に考える必要がある
  • TVはファンタジー、ソーシャルはリアルという感覚。ソーシャルの声はそのまま流すくらいじゃないとメリット活かせない
  • 技術論ではなくて、女性をくどくためにどうするか、くらいのつもりで考えること
  • 話すだけではなくて、声を聞いて反応を見るところから始めること

キーノートで語られた下の6つのポイントと共通することが満載の実例紹介でした。

1.Be authentic
2.Be Useful
3.Be entertaing
4. Be Relevant
5.Be Timely
6.Listen

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企業がFacebookでファンとコミュニケーションするのに必要な6つのこと(ad:techレポート)

昨年度開催されているときに、SNS上でみなさんの投稿がなんだか楽しそうだなぁと思って会社からしげしげ眺めていたad:tech tokyo、これに参加させていただきました。家から向かっている途中に、カンファレンスパスを会社に置きっぱなしにしたというミスをしましたが、なんとか開始5分くらいで到着することができました。広い会場はすでに満員となっていたので、別室にてFacebook グローバル・クリエイティブ・ソリューション・ディレクター Mark D’Arcy氏の講演をはぁはぁ言いながら聞きました。

■Facebookユーザーがいつも見ている場を活用するには
ユーザーはFacebook閲覧時間の40%はニュースフィードを見ている。ここをマーケターが活用してファンとの対話に参加するには、そのブランドの存在意義が必要である。ユーザーが楽しくコミュニケーションしている場に企業が入っていくには、それ相応の存在する理由が必要である。またブランドの信憑性が必要で、言ってることとやってることが一致していることが重要だというお話。その後、以下の6つのポイントがあるという流れでした。

■ブランドがファンと対話する際に必要な6つのこと

  1. Be authentic

    ブランドが掲げるコンセプトと信憑性があること
    【事例】Grey Coupon 

  2. Be Useful
    便利に使ってもらえること。ツールやユーティリティなどを提供して、ユーザーに便利に使ってもらえること。
    【事例】nike id、fuel band

  3. Be entertaing
    面白みがなければ注目しない。写真、ストーリー、ウィットなどで興味をひくこと。
    【事例】Red bull
    【事例】ポカリスエットのソーシャルラジオ

  4. Be Relevant
    ユーザーと関係性があること。またそのグループに対しての濃密な関係形成。

  5. Be Timely
    タイムリーであることが重要である。同じ実生活にすんでいることを実感できる、同じ経験を共有したいと思っていること。

    【事例】OREO – DAILY TWIST…その日にちなんだオレオ画像を投稿してユーザーの共感を得た事例。これはひとつひとつのアイデアが素晴らしくて、思わずいいね!してしまいますね。

  6. Listen
    人々の話に耳を傾けること、そしてそれをアクションに反映すること。
    【事例】LAY’S 新フレーバートレンドをユーザーに聞いて、分析した事例。

■常に自分にこの2つのことを問いかけよう

Why care? …どうしてみんながこのコンテンツに関心もつの?
Why share? …なんでこのコンテンツシェアしたいって思うの?

この2つの問いを、施策を考える初期段階からちゃんと考えることが重要で、このことは最後に拡散するためだけにSNS連携を付け加えるようなものではない。

■エンゲージメントのレベルが高い日本人

日本人はブランドへの熱狂度が海外に比べて強いのだそうです。数値的なデータとして、以下が紹介されました。

60%… 自分のアイデンティティを表しちゃうからこのブランドが好き
67%… クーポンあるしこのブランドにいいね!する
74%… 有益な情報が取得できるから企業をフォローしている
22%… Facebookの情報を見て実際に購入した人の割合

これらの数値をふまえつつ、先の6つのポイントから外さないようなコミュニケーションを行なって施策を実施することがこれからのマーケターに必要なことだと指摘しました。

地下の企業展示ブースも楽しかったです。

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廃校のアートは怖い!越後妻有大地の芸術祭行ってきました(2日目)

越後妻有 大地の芸術祭 2日目の記録です。1日目は芸術祭の中心であるキナーレ~十日町周辺をまわったので、2日目はもっと自然を体験できる松代エリア、松之山エリアに行ってみることにしました。

■自然に囲まれた農舞台
松代エリアの中心にあるのは、北越急行ほくほく線というかわいらしい路線のまつだい駅前にある「農舞台」と呼ばれる施設です。オーガニックなレストランやショップ、展望台としての役目やイベントスペースなど多機能に使われています。レストランはビュッフェ形式で自然食を満喫できるうえに、青で統一された店内やそこからの眺望がすごくよいそうです…。混んでいてとても行けませんでした…。

農舞台の周辺の野山や田んぼ、いたるところに作品が展示されていて、野山を歩きながら作品を発見する楽しみがありました。棚田をのぼっていきながら、作品を示す黄色い小さな看板を見つけては駆け寄ってスタンプするという流れです。歩いていた道が実は作品だったり、展望台からの眺望+展望台に設置されたコピーが合わせて「棚田」という作品だったり。本当にいろんな考えで作られた作品が満載で、本来はばらばらになりそうなものですが、ぜんぶ大自然の中に展開しているというところでまとまったトーンに感じられるのが不思議でした。


■こんどは森の中に巨大な虫!
ひきつづき自然に突入すべく、松之山エリア「森の学校」キョロロへ。森を抜けた所に現れた高台のある茶の素材でできた建物で、一瞬要塞か?という印象でした。建物のまわりには2mほどもあるカブトムシ・バルーンやフンコロガシ・バルーンがいて、虫虫してきていました。内部にもすごい量の昆虫標本の展示やリアルにカブトムシ・クワガタが部屋の中にもぞもぞしてる部屋、ざりがに釣り、かえるや蛇が水槽の中にいたりと盛りだくさん体験でした。

■棺桶の中で見る夢??
次に見に行った作品は古い民家を夢を見るためだけに改装された「夢の家」という作品。1階はわりと普通の民家なのですが、2階には赤・青・緑・紫の部屋があり、ここがこの作品の体験エリアになっています。窓にフィルターのようなもので一切の明かりがその部屋の色だけになっています。すべてが赤かったり、すべてが青い部屋で、専用の衣装をきて、そこに一泊する。そしてその夜に見た夢を起きた時に「夢の本」に記録するという作品です。実際にこの夢の本も1階に展示されていましたが、案外普通の夢を見るもんだなと思いました。もっと怖い夢を見るのかと…。それくらいのインパクトがある部屋でした。夢の本が置いてある部屋のまわりの壁は全体に赤い文字で英語が書かれていて、これも夜みたら結構怖いなぁと思いました。


■まっくらな学校はたいそう怖い
夢の家怖いなぁとか思っていたら、さらにもっと上がありました。廃校になった小学校をまるごと作品化している「最後の教室」という作品です。入ろうとするといきなり体育館入口に暗幕があり、おそるおそる入るとなんだかもわーっとした藁のにおい、かすかな映像の明かり、風の音、まったくなんだかわかりません。目がなれてくると、広い体育館の床に藁がしきつめられ、そこに扇風機が置かれた木の長椅子がいくつもあり、全体の壁にはテレビの砂嵐のような映像がかすかに映っています。目が慣れてきても、なんのことだかわかりませんでした。2階3階も外光は遮断されていて、それぞれ恐怖体験な部屋が用意されており、心拍音と時折眩しい明かりが点灯する理科室、壁一面に黒いものがものすごい数貼られた音楽室、床に白いシーツがしきつめられ、棺桶のようなものがたくさんある教室…。意味はわからないのですが、ここは夜一人では回れない!と思う作品でした。

■まだだ!まだ終わらんよ!
けっこう夕方になってきていたのですが、がんばればまだ行ける!ということで次は「上鰕池名画館」という作品に。これは世界の名画を上鰕池に暮らしているお父さんお母さんで再現したもの。もちろん背景も上鰕池です。古民家に入って2階に行くと、名画の一覧を渡されるのですが、展示されているのはすべて上鰕池の人たちで撮られた写真。これがどの名画なのかを見比べならがの鑑賞がとても楽しい作品でした。

そして大地の芸術祭最後の鑑賞作品になったのは「家の記憶」でした。民家の中を天井から1階~2階からあちこちを糸が張り巡らされていて、繭の中のような状態になっている家でした。家になにか染み渡っているものを表現しているのか、つながりを表現しているのか…。

自然とアートを満喫した2日間でしたが、スタンプ帳をみると、半分も埋まっていない状態でした。これの2~3倍もの作品数がまだまだあることにすごくもったいないことをした気がしました。もっと早い時期に来て、もう一度訪問したかったなぁというのが正直な気持ちです。自分が今までに経験したアートの展示の中では一番楽しく見ることができました。

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越後妻有 大地の芸術祭の里
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越後妻有 大地の芸術祭行ってきました(1日目)

越後妻有地域の里山や廃校となった小学校などを舞台に3年に1度開催している越後妻有 大地の芸術祭に先日行ってきました!。行く前から広大なエリアに広がっていること、1日じゃとてもまわりきれないことを聞いていたので、宿をとって車で子どもと2人で行ってきました。東京から230kmほどあり、関越道までの環八もあり、結局5時間ほどかかっての新潟十日町への到着でした。

■芸術祭の中心 キナーレ
キナーレという変わった響きの言葉。越後妻有里山現代美術館がこの芸術祭の中心で、まずはここに向かいました。道中の十日町商店街には閑散としていて、これは本当に芸術祭を開催しているのか?と不安になるほどでした…。でも地域で有名な新潟へぎそばの老舗 小嶋屋総本店さんに入ったとたん、人がいっぱいいて、ほっとしました。

キナーレの中には、意味はわからないけどなんだかおもしろいものであふれていて、やたらこどもが楽しんで体験したり食い入るように見つめたりしていました。中に入って見たりできる体験できる作品が多かったのも、子どもウケがよかったようです。特に印象に残っているのは、やはりキナーレに入ってすぐ広大なエリアを使って展示されていた、クリスチャン・ボルタンスキー氏の「No Man’s Land」という展示でした。サイトの作品紹介を見ると人間の「生と死」「記憶」をテーマにしていることを今初めて知りました。こどもはずっと「洗たくして干してるんだよね。」と言ってました。

他にもトンネルの遠近感をドラえもんのガリバートンネルのように実際にどんどん狭くしていって、歩くと不思議な体験ができる「トンネル」や、床屋さんの赤と青のグルグル回っている物の内部を歩く体験ができる「Rolling Cylinder, 2012」など、体験できるアートがやはり記憶に残りました。

■もう1エリアが精一杯?
キナーレはかなり作品満載でした。次のエリアに行こうかと思って調べてみると、徒歩ではとても行けず車で15~20分ほどはかかりそうなところばかりで、車でない方たちは巡回バスで回って大変そうです。次は友人からも超おすすめされていた、「光の館」に行ってみることに。小高い丘を登って行くと、怪しげな館が現れました。大きな階段をあがって中に入ると、その1室の天井に謎のスペースがあり、なんと屋根と天井がスライドし、この部分から空が見えるような部屋なんだそうです。当日はあいにくの雨模様で曇ったりいきなりドザーっと降ったりしていたため、この時も閉まったまま…。一瞬開けますよー!と開きかけたものの、また突如雨がきて隙間から光が見えかけたところでまた閉まっていったのはよい思い出です。和室から外から子どもは駆け回っていて楽しそうでした。

■廃校になった小学校がおばけワールドに!
この旅の前にいろいろ相談していた友人にばったりと「光の館」で出会い、どこ行くか迷子のようだった親子が九死に一生を得ました。次のエリアもひっついて行くことに!まだぎりぎり間に合うとのことで、絵本と木の実の美術館に車で15分ほどで移動し駆け込むことにしました。ここは既に廃校となっている小学校全体を舞台に、流木や竹などをつかってかつての先生や生徒そしておばけまでもを再現しているという作品。なんておもしろそうな…。校舎に入ってすぐの広い体育館には色鮮やかな流木で組まれたオブジェがたくさん展示されていたり、体育館に置かれたピアノや木琴、鉄琴が鳴らされていて楽しくにぎやかな雰囲気でした。まっ先にうちの子も鉄琴をかき鳴らしに行ってました…しかも激しく…。みんなの描いたおばけの絵展示や、すべて竹でつくられた家自体がいろんな音を奏でる「どうらくオルガン」など楽しいものばかり。おばけの絵やオブジェなどは割りと本気で怖がっていました。怖がりすぎなうちの子。

 

学校のまわりには田んぼや山々の緑、民家。もう夕暮れで暗くなっていく景色と相まって、とても懐かしく楽しい体験でした。穴を開けた竹が吊り下げられ、それを竹でボコボコ叩いていろんな音を出して遊ぶ作品を堪能しました。こういうところに住みたい、とか思ったりもしました。

■宿もよかった…
絵本と木の実の美術館を見終わった頃にはもうだいぶ暗くなり始め、一緒に回ってもらった友人2人をキナーレに送り、自分たちは山道とカーナビのいじわるにもなんとか乗り切って宿に向かいました。よく仕事で十日町に通っていた父親におすすめを聞いて予約した宿の大沢山温泉 大沢舘に宿泊しました。和風で雰囲気のある宿でとリクエストしたのですが、本当にぴったりとはまる、ものすごく居心地のよい宿でした。露天風呂も月がきれいに見えて堪能しました…。また泊まりたい度:★★★★★です。

 

2日目のメモはまた次回エントリーで。

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越後妻有 大地の芸術祭の里
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ICCで宇宙とキャラクター

たまたま宇宙に関して調べているときにみつけたARTSAT。アートな活用ができる衛星を打ちあげ、衛星をもっとみんなの身近なものにしていこうという取り組み。なんと来年に打ち上げが決定していました!。見ているとちょうど関連する展示をやっていたので、外出ついでに初台のNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)へ立ち寄ってみました。


展示場所は4階のオープンスペースでしたが、ここがなかなかたどり着けない…。あと平日ということもありほんとにひと気がない…。やっとたどり着くも、おばあちゃんと孫の1組がいるだけの贅沢展示空間だった。荷物を預け、ARTSATの展示を見てみるが、宇宙のデータをなにかしらビジュアライズして4つのサイネージパネルに表示した作品で、きれいにかっこよい感じではできているんだけど、それで?…という印象だった…。またARTSAT模型?も展示されていて、動かすとそのサイネージ部分に反映されるというものも…。ちょっと難しすぎるのかも?とも思った。
 
気を取り直して、ここに来たのはもうひとつ目的があって、「ラップムシ」、「オトスケッチ」などの音あそびアプリでいつもこどもがお世話になっている、成瀬つばさ氏の展示「リズムシさんのへや」も開催していたので、これも一緒に見学してきました。いつものキャラクターな世界観で部屋が作られていて、部屋の中にいつものキャラクターぬいぐるみが置いてあったり、2人で楽しめる「ラップムシ」が体験できるように置いていたり、シリーズ合計ダウンロード数280万超は伊達じゃないです。部屋に来た時にカップル?が自宅みたいにゆったりした感じで遊んでいた様子がアプリ世界観にマッチしててひっくるめた展示みたいだった。
 

ARTSATは今後の動き、要チェックですね!

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成瀬つばさ氏 – オトノアソビバ
http://otonoasobiba.hiroimon.com/

ggg企画展 vol.313 寄藤文平氏「夏の一研究」

うちの会社は銀座の端にあって、たまにランチついでにgggに行きます。今回は大好きなグラフィックデザイナーの寄藤文平氏の企画展が開催されているということを知って、「ミルクチャポン」も大好きだった自分は、いそいそランチ&gggにおでかけしてきました。

寄藤氏といえば、JTのマナー広告「大人たばこ養成講座」などが一番に思いついて、あのイラストのトーンや色使いなどが特長的だけど、そのグラフィックの裏側にある考えや法則がとても練られていて、見ていてオリジナリティがあふれているように思います。その奥深さが見ていて楽しくなってきたりするのです・・・。

■独自のデザイン研究を展開
gggの展示は1階と地下1階にわかれていて、1階では畳1枚分くらいもありそうな大きさの作品が並んでいた。どれも寄藤氏のデザインに対する考え方やデザインの実験のような感じでした。自分を客観視する7人をデザイン化してみたものだったり、絵の内容をすべてピクトで作ってみようという事例だったり、惑星の大きさの差やシーベルト~マイクロシーベルトの差を誰でもわかりやすく可視化するものだったり、元素一覧をキャラクター化してみたものだったりと、ものすごく実験的です。ピクトの事例では、初代ガンダムのラストシューティングがピクトで再構成されてたりして、おもしろい…。

普段は聞き流していることだったり、複雑でわかりにくいことだったり、もんやりとした印象だったりしたものを、デザインの力でがっつり伝わりやすく再構築していると感じ、見ていて楽しいグラフィックだなぁと思いました。

■装丁デザインの発想を垣間見れる
地下のほうでは、赤瀬川原平著「千利休 無言の前衛」という岩波新書の装丁を検討していく工程で、頭の中の発想を順にわかりやすく並べて紹介している。実際にワークショップが開催されていたようです。その展示方法も、縦長の黒板を40枚ほど部屋の壁に並べて、順に見ていく展示方法。デザイナさんの発想を垣間見れる展示になっていて、とても参考になる。後日「わかりやすいデザインを考える」というタイトルの本が出版されるそうです。

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ggg企画展 vol.313 寄藤文平氏「夏の一研究」
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/

2012年9月3日(月)~29日(土)
〒104-0061 中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル 
Tel. 03-3571-5206
am11:00~pm7:00(土曜日はpm6:00まで) 
日曜・祝日休館 入場無料